化石ダイヤ

【登場作品】地底国の怪人


 ダイヤから出る光を当てると、なんでも石のようになり、反対向きに使うともとに返るという珍しい鉱物。地底国の女王が用い、人々を石化させた。

 「地底国の怪人」は手塚治虫の初期作品。

 飛行機事故で父親を亡くしたジョン少年は、安全な乗り物を新たに造ろうと決意。地球を貫通したトンネルの中を走る「ロケット列車」を設計する。
 ジョンは人間並の知力に改造されたウサギの耳男を助手とし、ロケット列車に乗って地底を掘り進む。地底の空間で列車の外に出た二人は、地底で遭難してしまう。

 列車工場のビル工場長はジョンの救助に向かうが、途中で「地底人」の襲撃を受け捕虜となる。地上人を憎む地底国の女王は、救助隊のひとりハム・エッグ技師長を宝石で買収し、地上攻撃のための手下とする。一方ジョンと耳男は独自に地底国へたどり着き、地底人のロケットを奪い、ビルたちを救出して地上へ帰還する。

 地上へ帰還したジョンたちを、ハム・エッグ率いるテロ組織が襲う。戦いの中、敵に設計図を渡すまいとヒゲオヤジは設計図を燃やそうとする。しかし、これをカン違いした耳男がヒゲオヤジを殴打。このミスにより、ロケット列車の設計図は奪われてしまう。ジョンは腹を立てて耳男を追い出す。

 これを機に地底国との全面対決を決めたジョンは、大学から派遣されたという少女技師ミミーや警察と協力してハム一味に逆襲。女王の秘密基地を攻撃するが、女王は石化光線を放つ化石ダイヤを武器として応戦。さらに、ハム・エッグを化石ダイヤで石化させ、そのまま見捨てて逃走する。しかし、突如現れた謎の少年に阻まれ女王は死亡。少年は化石ダイヤの効果を説明し、女王に石化させられた人々を元に戻す。

 設計図を取り戻し、ロケット列車2号を完成させたジョンは、ビルやミミーと再度の地底探検に挑むが、溶岩流に巻き込まれてしまう。ジョンたちが倒れた中でミミーはひとり列車を運転し、トンネルを貫通させるが、高熱で大やけどを負ってしまう。病院にミミーを見舞ったジョンは、ミミー、そして女王を倒した謎の少年が耳男の変装だったことを知る。ジョンの謝罪と感謝の言葉を聞きながら、耳男は息を引き取る。

  • 最終更新:2013-05-13 23:00:29

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