ガンダリウムγ

【登場作品】機動戦士Zガンダム


 ガンダリウムγ(ガンダリウム・ガンマ)は、アクシズが開発したガンダリウム系合金の一種。
 宇宙世紀0087年のグリプス戦役ではいずれの勢力でも幅広く使われた。

 アクシズは宇宙世紀0083.9月にガンダリウムγの開発に成功した。
 アクシズは試作型ムーバブルフレームとリニアシートの技術と交換に、アナハイム・エレクトロニクス社にガンダリウムγの精製技術を供与した。アナハイム社はこの新合金をもとに、核融合炉の小型・軽量・高出力化、材質的に問題のあったムーバブルフレームの改良、ガンダリウムを主材とした強化軽量の装甲版の開発を進めていった。

 これらの新技術を導入したモビルスーツは、第2世代MSと呼ばれることになる。その第1号機がRMS-099リック・ディアスであり、公国系技術者だけで開発され、あらゆる面でバランスのよい機体として仕上がった。また、ガンダリウム系の新技術により従来機とは一線を画す総合性能を有していた。

 0087.03月までガンダリウムγの存在は、連邦軍・ティターンズには知られていなかった。彼らもガンダリウムの改良を行ってはいたが、アクシズ、エゥーゴに大きく遅れていた。

 エゥーゴがリック・ディアスにより、ガンダムMK-IIを強奪する事件が起き、連邦軍はアナハイム社を疑った。同社代表のメラニー・ヒュー・カーバインは軍の追求をかわすため新型機RMS-108マラサイを無償供給し、ガンダリウム系の新技術を渡した。これによって、第2世代MSは、連邦軍、ティターンズでも使われることになった。第2世代MSは0087~0089年までに4000機を越える生産台数があったという。

 ガンダリウムγの高剛性はムーバブルフレームの発展を促し、マグネットコーティングの技術と合わせることで、可変モビルスーツの誕生へと繋がった。ガンダリウム合金はもともと磁性を帯びていると説明している資料もあり、ガンダリウムとマグネットコーティングは相性がよい技術であったと考えられる。

 ただし、ビームの直撃に対して十分な防御が期待できるわけではなかったため、グリプス戦役時には機体の軽量化によって機動性を向上させ被弾率の低減を図るという設計思想が生まれ、いずれの勢力のMSも装甲箇所を減らす傾向にあった。
 しかし、ガンダリウムγ自体の性能向上によって比重が改善されたこと、また耐ビームコーティング等の技術の進歩もあり、以前ほどの重装甲を施さずとも、ある程度の出力のビームに対しては一定の防御力が期待出来るようになった。このため、第一次ネオ・ジオン抗争以降のMSにはガンダリウムγを使用した多重空間装甲が多用され、再び装甲面積が増やされることとなり、装甲材としての意義が見直されている。


 パプテマス・シロッコがジュピトリス艦内で開発した試作型可変MA、PMX-000メッサーラにも、シロッコが独自開発したガンマ型に近いガンダリウム合金が使用されている。

 メッサーラは木星の高重力圏での活動を前提に設計されており、高重力を振り切るための大型スラスター・ユニットを装備し、フレーム剛性も非常に高く設定されている。TMAとしては最初期にムーバブルフレーム構造を採用した機体であり、変形所要時間は僅か0.5秒である。
 これらの能力を発揮するためには、ガンダリウムγと同水準の強度が必要不可欠であるが、メッサーラが設計された時点において、アナハイム社を除く地球連邦系工廠はガンダリウムγの精錬技術を有してはおらず、開発者であるシロッコの優れた技術的才覚が窺える。

  • 最終更新:2012-10-08 12:20:46

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