ガンダニュウム合金

【登場作品】新機動戦記ガンダムW


 主に劇中に登場するガンダムタイプMS(モビルスーツ)の装甲材などに利用され、A.C.(アフターコロニー)における「ガンダム」の名称の由来ともなった、宇宙のみで精製できる特殊合金。

 ガンダニュウム合金系の素材によって装甲されている機体は、通常のビーム兵器で破損することは不可能に近く、物理的な衝撃に対しても圧倒的な耐性を持つ。
 ガンダニュウム合金に対してのビーム攻撃は打撃のように作用する。ビームサーベルによる攻撃を受けて殴られたように仰け反る、ビーム砲による斉射で弾かれて後退するという描写がなされている。

 作中ではその圧倒的な防御力がたびたび描写された。ヴァイエイトはカトルの乗るウィングガンダムゼロのツインバスターライフルの直撃を受けるものの半壊状態で耐え、ウィングガンダムはリーブラの主砲の直撃を受けるもなんとか原型を留めていた(搭乗していたレディ・アンは無傷)。

 また、大気圏突入の高温にも耐え、宇宙世紀ガンダムシリーズで用いられるバリュートやフライングアーマーなどの大気圏突入用装備を必要とせず、MS単体での大気圏突入が可能。
 『Endless Waltz』において、ガンダムヘビーアームズは全身にミサイルを積載した状態で大気圏突入を行ったが、とくに支障はなかった。(デスサイズヘルはアクティブクローク、サンドロックは肩部増加装甲とマントを装着していたが、ヘビーアームズには何もない)

 電磁波を吸収するという性質から、ガンダニュウム合金製のMSはレーダーに映らず、ステルス性に優れる。ガンダムデスサイズはガンダニュウム合金の特性に加えて、ハイパージャマーを装備することで、隠密性を格段に高めている。

 ガンダニュウム合金の採用によって、ビーム発生に必要とされる各装置の性能や耐久性が飛躍的に向上しているため、ガンダムの多くが携行するビーム兵器は、既存のMSが使用するビーム兵器とは桁違いの威力を持っている。これらは水中でもほとんど威力が減衰することなく、OZのパイロットはガンダムが水中でビーム兵器を使用したことに驚きながら撃破された。

 実際には、ガンダニュウム合金は特定の物質や素材のことではなく、『宇宙でのみ生成可能な特定の製法による特殊合金』類を指し、宇宙空間で始めて成立した精錬、生成、還元などの加工法に依拠した技術による複数のマテリアルである。

 ビルゴ、メリクリウス、ヴァイエイトもまたガンダニュウム合金で造られているが、作中ではわりと簡単に撃墜されており、ガンダムほどの堅牢性はなかった。これらのことから、同じガンダニュウムの名を冠していても、『ガンダム』に用いられたガンダニュウム合金と全く同じものではないと考えられる。

 名称の由来は【Genetic on Universal Neutraly Different Alloy=(電気的に)中性な異種構造の宇宙性合金】。開発当初はGND合金と呼ばれていた。
 初期開発後、複数のコロニーにおいても同種の合金が多数開発されたため、その合金類を新たなマテリアルとして、既存の(地球上でも生成できる)合金類と区別するために、接尾語のnumを付けた。

 加工に際して必要とされる条件を地球上で実現することが事実上不可能なため、ガンダニュウム合金は、宇宙でしか生成することができない。便宜上『合金』とは呼ばれているが、実際には多数の非鉄金属や希土類、分析不可能の物質などを含む組成もあり、さらにいえばおよそ金属とは呼べそうもないマテリアルもあるらしい。

 この合金の一般的な生成は、まず、重力の影響を排除した高温プラズマ中で行われる。さらに、分子単位の配列や同位体のマトリクスなどもナノ単位で調整する。これらの諸条件は、恒常的に重力が安定しているラグランジュポイント以外では実現できないとされている。

 また、太陽から放射される電磁波も直接、あるいは間接的に利用しているとされ、いわゆる『焼きなまし』のようなエージングの工程でも、重力や太陽の入射角などの多様な影響を排除(あるいは制御)しなければならないらしい。
 さらに、核構造の配列を変更することで、同一の素材に複数の特性変異を引き起こされることもできるという。

 素材の由来でもある『電気的に中性』であるという特徴は、この合金が種類や環境によって物理的に様々な振る舞いをすることによる。

 発見以来、多くのバリエーションが生み出されたため、ガンダニュウム系素材全てに適用できるという概念ではなくなっているが、周辺の環境によって全く違う側面を持つようになるという点は、変わっていない。

 基本分子が同じでも、その配列や組成、電荷を変えただけで、各種の電磁波を吸収、攪乱したり、耐食性、高温強度、クリープ強度などが変化する。さらに、金属反応の喪失やプラズマ、荷電粒子による界面変化の減衰、相殺、位相転換なども可能とするという特性が確認されている。

 ガンダニュウム合金とは周辺環境によって有り様を変える素材だといえ、MSの製造に使用する諸条件を、ほぼ完璧に満たす最適の素材とされる。しかし、この合金は生産性が低く、量産効果によるコストダウンもほとんど見込めなかったため、一般的な素材とはなっていない。
 既存のチタニュウム系の合金で兵器には十分な強度や機能は得られていたため、開発当時はこの合金の軍事転用の検討さえ放棄されていた。原子炉の炉心や、そのタービンのファン以上の強度が必要とされる戦闘など想定されてはおらず、この素材はMSの建造以外に、これといった使い途がなかった。
 実際には、ガンダニュウム合金のスペックは、意図的に隠蔽されていたという説もある。
 OZは、MSを兵器としてよりも工業製品として把握していた側面があり、トールギスの完成と平行して、人が扱えない兵器には商品価値がないという判断が下されたという記録もある。

 同じ時期に、この機体を開発した科学者たちがOZを出奔したのも、これ以上のOZの軍事的な突出を嫌ったからだとされているが、実際にはガンダニュウム合金を使用したMSの開発に専念するためにOZを離れたという見方も不可能ではない。

  • 最終更新:2012-05-19 14:00:25

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