チルソナイト808

【登場作品】ウルトラセブン


 第2話「緑の恐怖」に登場した宇宙鉱石。「チルソナイトハチマルハチ」と発音する。『ウルトラQ』にも、チルソナイトという名称の鉱石が登場している。

 夜空に青白い光が流れた。光はある屋敷の庭にゆっくりと降りる。翌朝、庭には謎の岩塊があった。屋敷の主人ミツコが蹴ってみると金属音がした。その日はイシグロ隊員が6ヶ月ぶりの休暇をもらい、宇宙ステーションV3から地球の本隊へ帰ってくる日だった。イシグロ隊員の妻ミツコは出迎えのため、岩塊を警察に片付けてもらうよう家政婦に頼んで、出かけていく。ミツコを見送った直後、家政婦はふいに現れた郵便配達から謎の小包を受け取る。

 故障したミツコの車を置いて、イシグロ隊員とミツコをポインターで屋敷に送るダン。そこで、ダンは屋敷の庭に奇妙な岩塊を見つける。ダンの透視能力でも透視できない。しかし、ダン=ウルトラセブンはこの鉱石をどこかで見たことがあった。チルソナイト808、ワイアール星でしか産出しない金属だ。

 その夜、ダンとアンヌはイシグロ邸にミツコの車を届けに行った。「まだ岩はある…」ダンは不信感を募らせる。
 その頃、イシグロ邸では小包がイシグロに渡されていた。小包の中から出てきたのはチルソナイト808。イシグロはチルソナイト808を机にしまいこむ。それと同時に発作のような頭痛に襲われ、机に手をつき苦しむイシグロ。その手がみるみる緑に変色し、机の中のチルソナイト808は緑色の光を増す。イシグロの体は植物のように変化。窓から這い出し、通りがかりのよっはらいを襲撃した。酔っ払いの叫び声に駆けつけるダンとアンヌ。男を基地のメディカルルームへ運び込むが、緑に変色し、植物の怪物と化してしまった。アンヌがパラライザーで怪物を麻痺させ、事無きを得る。

 その後、3日間で十数人の被害者が出た。それらがみんな怪物化し、人間に襲いかかる。さらに襲われた人間も怪物化し、次の人間を襲う。このままでは、怪物はネズミ算式に増え、数ヶ月後には地球上の全人類が怪物化してしまう。
 そこへ、ダンがイシグロ邸にあった岩を運び込んできた。岩は分析のため、化学班に回される。チルソナイト808を切断しようとするが、まるで歯が立たない。

 家政婦から連絡を受けてイシグロ邸を訪れたダンは、机の中からチルソナイト808を発見する。もしかしたら割れるかもしれないと、ダンはハンマーでチルソナイト808を叩いてみる。チルソナイト808にひびが入る。その頃、基地内でも割れなかったチルソナイト808が小さなチルソナイトに応じるように割れてきた。中からでてきたものは、なんとイシグロ隊員であった。小さなチルソナイト808からは発信機付きの電子頭脳が。

 イシグロとミツコが箱根に向かう箱根行き小田急ロマンスカー車内。イシグロの体が腕から順に緑色に変色し、じょじょに植物化。とうとうワイアール星人に変化し、巨大化して暴れ出す。

 ダンはセブンに変身して応戦。ワイアール星人は、緑の光線を乱射してセブンを苦しめる。セブンはワイアール星人をアイスラッガーで縦に真っ二つにし、エメリウム光線で焼き払う。ミツコとイシグロは再会を果たすことができた。

 ダンは説明する。「あの鉛色のマシンですよ。あれにイシグロ隊員を閉じ込めておいて、転送に似た方法でイシグロ隊員の姿を借りたんです。そしてこの電子頭脳で行動をコントロールしていたんです」

「事件は終わった。だが宇宙からの侵略が終わったわけではない。あの鉛色の物体がいつあなたの庭に落ちてくるかもしれないのです。明朝、目が覚めたらまず庭をごらんなさい」

  • 最終更新:2012-10-19 14:09:01

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